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琉球新報コラム「南風(はえ)」に掲載された伊波の記事−平成20年7月4日(金)より−


2008年12月5日(金)掲載 第11回

琉球新報「南風」 出会いに感謝
琉球新報コラム「南風(はえ)」掲載−出会いに感謝−

私はつくづく、人との出会いに恵まれていると思う。

年を重ねるにしたがってなおさらそう思う。その時は深く考えもしないが、いろんな方々との出会いが、あとで考えると点から線となって結びつながれていることに驚かされる。多くの人々との出会いの中で今の私があるといっても過言ではない。

というのは、これまでの出来事が自分の人生の節目になっていることが、振り返ってみるとたくさんあるからだ。人との出会いのなかで影響を受け、また知恵をいただいた。そしてその方々のご縁でいろんな先輩たちにも出会えた。そのおかげで自分は成長してきたなあと思うからである。

ダーウィンは「最も強いものが生き残るのではなく、最も賢いものが生き延びるのでもない。変化できるものが生き残るのだ」といった。もうすぐカジマヤーを迎える仲本潤英氏は「生物は逆境の時に成長する」という。

私も気がつくと来年48歳。正真正銘の中年である。人生は早い。これからも成長、変化、進化しないと埋没し、化石化するのは明らかである。幸運にも私のまわりの諸先輩たちは、自らでもって自分の炎を燃やし続けることができるすばらしい方々が多い。私などは彼らから種火をもらって燃えることができるタイプである。ほっておくとその火もどんどん小さくなるのが常だ。炎が消えそうになったり、錆(さ)びてきたら、叱咤(しった)激励を今後ともぜひお願いしたい。

今回、ご縁があってこのような場所に登場させていただいた。大変、貴重な経験となった。そしてこれまでお付き合いいただき、また優しく見守ってくださったみなさん、ありがとうございます。感謝の念でいっぱいです。

※琉球新報「南風(はえ)」への掲載は今回で最終号です。ご購読ありがとうございました。

2008年12月5日(金)掲載 第11回

琉球新報「南風」 買い物をするときの男女の違い
琉球新報コラム「南風(はえ)」掲載−買い物をするときの男女の違い−

女性はだいたい浮気をする。男性はほとんど浮気しない。
誤解しないでほしい。これはあくまでもネットや通販でものを購入するときのお客さまの話。男と女の話ではない。

物を購入するお客さまで男性と女性で違いがある。男性客は一度、納得して購入すると次回からもそのお店で購入する確率は高い。しかも次回からは価格をあまり気にしない。購入が続くとあまり浮気をしない。忠実な客となることが多い。他にいいものがないか、また安いのがないかと探すことはほとんどしない。それだけに一度顧客にすると店離れが少なく。離脱率が低く固定客になりやすいというもの。

女性客は逆に、商品を購入したあとでも他にいいものがないかどうか。この価格で購入したけどその価格が妥当かどうか。また別の店でチェックしたり、他の商品を探したりする。よそで流行ものや、かわいいものを見つけるとすぐに移ってしまう。それだけに女性客を固定客にすることは難しく、趣向を凝らした打つ手が必要となる。価格や品質、デザイン、色にもシビアといえるからだ。これはなにもネット通販だけにとどまらない。どうやら、男性と女性の買い物をするときの脳のプロセスの違いがそうさせているのかもしれない。あるネット関連の先生いわく、女性は買い物をするとき左脳と右脳を交互に使うが、男性は左脳でするからだという。

男性は比較検討をあまりしないし、ショッピングにかける時間も女性にくらべて短い。なによりも、決定的な違いは、女性はショッピング自体を楽しむことができる。だから、あれこれといろいろ探して楽しんでいる。残念ながら男性にはそれが苦手である。

※琉球新報「南風(はえ)」への掲載は12月19日(金)です。

2008年11月21日(金)掲載 第10回

琉球新報「南風」 マインドマップのすすめ
琉球新報コラム「南風(はえ)」掲載−マインドマップのすすめ−

私は整理するのが下手である。

「もったいない」とか「あとで使うかもしれないから」と残しておくと、なかなか捨てきれない。《効率が10倍アップする知的生産術》の著者で有名な勝間和代氏は、やりたいこと、やるべきことを手帳に書くことも大事だが、じつは、やらないこと、したくないことをリストアップすることも大事だと強調している。やらないことを決めると何がしたいのか明確になる。どうやら行動計画や生産性をあげる上でも、取捨選択が大事らしい。

スイスの国際経営開発研究所によると日本の生産効率は先進7カ国中で最低。ビジネスの効率性においても27位。そして国際競争力においても24位(2007年)と低迷している。言語能力においてはなんと51位という低さだ。

そのうえ、日本は高齢化社会へ突入した。中年のオヤジたちはこの先いくつになるまで働けば引退できるのかさえわからない。アナログ世代の中年オヤジたちがIT社会を生き残るにはどうすればいいのか。

2年近く、使っているツールのひとつにマインドマップがある。トニー・ブサンという学者が発明したメモの手法だ。最初は手書きで書いていたが、ソフトを購入してパソコンでしている。読書のあとや講演会やセミナーあともすべてマインドマップして書きとめる。また、自分のアイデアをまとめたり、計画表やミーティングなどにも使える。なかなかのものだ。

利点は整理ができ、自由に情報をくっ付けたり取ったりすることができること、長期にわたって記憶の保存ができることなどであろう。自分でマインドマッパーと呼んでいる。働く中年オヤジの必須科目のひとつにぜひあげたい。

※琉球新報「南風(はえ)」への掲載は12月5日(金)です。

2008年11月7日(金)掲載 第9回

琉球新報「南風」 古波蔵保好氏の沖縄物語
琉球新報コラム「南風(はえ)」掲載−古波蔵保好氏の沖縄物語−

現代人にとって、100年を元気で生きることはまれである。

仲本潤英氏は沖縄を代表するスーパーおじいのひとり。来年1月には97歳になられる。今も現役で趣味の彫刻をするつわものだ。100年近くの年月を生きてきた氏の話は奥深い。また年の差を感じさせないほど身近に感じる話題も多いのが魅力だ。

仲本氏との会話から古波蔵保好さん(故人)という方を知った。3つ年上の先輩で旧安里小学校の同窓だったそうだ。首里の出身で地元沖縄の新聞記者だった。それから毎日新聞へ移り論説委員などを経てエッセイストとして活躍。日本エッセイストクラブ会員でもあった。

また、食や料理にも造詣が深く執筆も数冊。現在も妹の登美さん(故人)が開店させた本格的な琉球料理専門店、「美栄」が那覇市内の久茂地の一角にある。私も一度、仲本氏とご一緒に模合仲間とでかけたことがある。本格的琉球料理のお店であり、味はいうまでもない。

先日、古波蔵保好さんの数ある書籍を数冊、ネットを通して購入した。その中に「沖縄物語」という本がある。本人の小学や中学時代の話題など、大正から昭和初期のうちなーの話だ。庶民の生活の様子が方言混じりで書いてある。ちょっと前の話のようだが、うまい文章で当時の様子がありありと伝わってきてタイムトラベルした感を覚える。時代のうつり変わりをみるが、なかには沖縄のこころや匂(にお)いまでもが感じ取れるかのようだ。今では使わなくなったうちなー言葉も数多くある。

そういう貴重な本をネットで購入できるというのもまた今風である。秋も深まりつつある今日、読書で昭和初期のうちなーにタイムトリップしてみては。

※琉球新報「南風(はえ)」への掲載は11月21日(金)です。

2008年10月24日(金)掲載 第8回

琉球新報「南風」 人生の曲がり角
琉球新報コラム「南風(はえ)」掲載−人生の曲がり角−

20代のころに出会ったある女性がいる。その女性は東村の出身で若いころにコザで仕事をし、米国人と結婚し渡米した。米国籍を取得し、3人の子供はすでに独立。その彼女が帰郷していたころに知り合った。

流暢(りゅうちょう)な英語を話し、彼女の母のアパートに滞在していて何カ月かすれば米国へ帰る予定だった。暇をもてあましていた私は彼女のところへ出かけては時間をつぶしていた。そのころ、彼女に言われた言葉がある。

「あなたは今、人生の曲がり角だからこの曲がり角をきれいに転ばぬように曲がりなさい」と。その言葉を心に留めて私は米国へ留学した。米国でも連絡は取ってはいたが、いつしか連絡が取れなくなった。

卒業を機に帰国した私は彼女が母と暮らしていたアパートを訪ねた。しかし、そこには彼女の母親ももう住んでいなかった。しかしなぜかまたいつか会える気がしていた。それから10年近くたって、私は台湾へ行くため、那覇空港の国際線ターミナルにいた。すると後方で聞き覚えのある声が、だれかと英語で会話している。その声はまさしく彼女だった。再会することができたのだった。台湾から帰国して彼女と会った。

彼女と再会したその日は、たまたま、友達の若いカップルがネパールへ行くため見送りにきていた。そして彼女は彼女の母の3年忌のため沖縄に帰ってきていたのだった。私は彼女に頼んで母への線香をあげさせてもらった。彼女の亡き母親が会わせてくれた、そんな気がした。

私が、彼女にあのころの私に言った言葉を覚えているかと聞くと全く覚えていないという。あのころの私は人生の曲がり角をきれいに曲がったと思うかというと、彼女は上手にきれいに転ばずに曲がったと褒めてくれた。彼女は米国に戻ってマサチューセッツに住んでいる。

※琉球新報「南風(はえ)」への掲載は11月7日(金)です。

2008年10月10日(金)掲載 第7回

琉球新報「南風」 世界の三大商人
琉球新報コラム「南風(はえ)」掲載−世界の三大商人−

世界の三大商人といえば、ユダヤ人、インド人、華僑が挙げられるのではないかと思う。彼らは世界中のいたるところで根を張ってビジネスを展開する。彼らのビジネス感を考えることがある。東南アジアで見かけるインド商人は、背広などの仕立屋や生地関連のビジネスに就いているか、料理人やレストラン経営または宝石店か貴金属店主といった職種に就いているのをよく見かける。

私はユダヤ人との付き合いはないが、本などによると学者や先生といった教育関連や金融関連従事者などが多いようだ。投資などのディーラーや不動産や株の投資、宝石や貴金属や金融関連職種でプロになる。彼らの歴史がそうさせたのか軽くて移動がしやすく換金化しやすいもの。または体ひとつで、世界中で仕事ができる専門職の学者や研究者も多い。

では華僑はどうだろうか。世界中のどこにでもといってもいいほど中華料理のレストランは海外各地でよく見かける。そしてテーラーなどの仕立て人、そして企業家だ。中国系の人たちはどこへいっても中華料理を食する。彼らにとって中華料理店は欠かせない。それはただ食事をするという場だけではないからである。食事をしながら仲間同士でお互いの情報の交換をする。ビジネスの仕方や仕事を先輩たちから教えてもらったり、ときにはお金の融通もする。また新しく仲間に加わったり紹介してもらったりする場合も食事をする。酒を飲み、酔っぱらうことによってその人の素性を見極める。

彼らの基本は自主独立と相互扶助の精神。信頼関係、人脈は財産だ。異国の地でビジネスをするにはお互い助け合い、リスクを分散しながら人生を切り開いていくのである。

※琉球新報「南風(はえ)」への掲載は10月24日(金)です。


2008年9月26日(金)掲載 第6回

琉球新報「南風」 指笛とカチャーシー
琉球新報コラム「南風(はえ)」掲載−指笛とカチャーシー−

間違いなく、今年の沖縄の夏は例年以上に暑かった。浦添商業の球児たちの甲子園での活躍が沖縄県民の体温を上昇させたと思うからだ。

ウークイの日である。ハラハラ、ドキドキしながら慶応高校との試合をテレビで観戦していた。ベスト4に勝ち名乗りをあげてしばらくのこと。安堵(あんど)感と充実感が入り混じっていた。
そのときに携帯電話が鳴った。社員の宜野座君からだ。月曜日は会社を休みたいというのだ。

なぜかと聞くと、甲子園での特別観戦ツアーがある。日曜日の早朝に甲子園に応援に行くので帰りが月曜日の夜になるというのだ。チケットは余裕があるかと尋ねたら、今ならまだ間に合うかもしれないという。それなら私も連れて行けということになった。というわけで、私は準決勝に甲子園にいた次第。

初めての甲子園は意外と小さく感じた。野球とは縁がなかった私でも血が騒いだ。沖縄県民のDNAが応援せずにはいられない。

甲子園では、浦商の選手たちがグラウンドに出てきて練習を始めると、すでに試合が始まったような騒ぎで盛り上がった。特に伊波翔悟君が外野でキャッチボールを始めると一塁側のアルプススタンドはもう大変な状態。ヒットのたびにみんな立ち上がって拍手し、指笛が鳴り響く。そこに、あるのは我らうちなーんちゅのDNAだ。

試合には負けたが、甲子園まで足をはこんで応援にきたかいがあった。

そこで思ったことがある。私は指笛もできないし、カチャーシーもあまり上手ではない。どなたかに、ぜひ「うちなーんちゅのアイデンティティー確認講座」として指笛とカチャーシー講座を開いてもらいたい。ぜひ参加してマスターしたい。

※琉球新報「南風(はえ)」への掲載は10月10日(金)です。

2008年9月12日(金)掲載 第5回

琉球新報「南風」 アジアの華人たち
琉球新報コラム「南風(はえ)」掲載−アジアの華人たち−

海外とビジネスをする機会が多い。海外との仕事は予期しないことがよく起こるものだ。私はそれを経験と呼んでいるが、解決するたびに充実感も倍増する。海外との商売を通していろんなことを学ばせてもらっている感がある。これからの若い世代にはぜひとも外国語は英語や中国語などの2カ国語は習得してほしい。世界観や行動範囲が広がるからである。

行動範囲といえば、華僑と呼ばれる人たちの行動範囲は群を抜いている。ダイナミックな人たちが多い。仕事を通して華僑と呼ばれる人たちとお付き合いがある。実際には僕らが華僑と呼んでいる彼らは華僑ではなくて華人に分けられる。なぜなら本来は華僑と呼ばれる人たちは中国国籍をもち中国国外に寄留する人たちを指すからだ。中国国籍をもたずアジアの国籍をもつ中国系の人たちは中国側からみれば華人である。しかし、シンガポールや台湾、香港華僑と呼ばれ、そこで出生しさらにそこからマレーシアやインドネシアなどの外国へでていって仕事をしている人たちも多い。

また東南アジア諸国では、中国系であるがその国で生まれ育ちその国の国籍をもち、その地で仕事をしている中国系も多い。彼らを華裔と呼び分ける場合もある。彼らはそこで育ち、家庭や親族とは中国語で会話をすることも多く、多数が中国語も話す。

インドネシアでビジネスをするあるシンガポール華僑の話である。彼いわく、「インドネシアなどで生まれ育った華裔は同じ中華系だが考え方や行動は違うことがよくある。もともとの中国の出身地や生まれ育った環境の違いなどで違うかもしれない」と。
東南アジアの華人もさまざまである。

※琉球新報「南風(はえ)」への掲載は9月26日(金)です。

2008年8月29日(金)掲載 第4回

琉球新報「南風」 夏の日とガジャンクルサー(蚊駆除車)
琉球新報コラム「南風(はえ)」掲載−夏の日とガジャンクルサー(蚊駆除車)−

まだまだ夏日が続いている。私が小学生のころ、そんな夕暮れ時に時々バラバラと音を立て白煙をだしながら軽トラックがやってきた。

たぶんに役所か保健所の衛生関係の車だったのだろう。あのころは蚊の発生も多く駆除するために地域を回っていたのだと思う。そんなことは、子供たちは一切お構いなしで、その音を聞くと夕ご飯もそっちのけで家から飛び出した。
僕らがガジャンクルサーグルマ(車)と呼んでいたその車を追っかけるためである。軽トラックの荷台に乗っている人が、機械から煙を噴煙している。その後ろで身体を隠したりして、雲を追っかけるような気分で遊べた。遊び道具のあまりない時代だったので、近所の子供たちがその音ですぐに集まり暑さも忘れて興じるのだった。

先日、テレビを見ていたら東南アジアではデング熱が流行する危険性があるという。台湾の台南ではこれまでに5000人以上が感染している。シンガポールでは国をあげて50億円ぐらいの予算で取り組んでいるのだそうだ。これも地球温暖化の影響なのか温度上昇により、これまで発生のなかった地域でも発生する可能性が高くなった。航空機の利用で人々の移動範囲が広がったのも影響している。

沖縄も注意が必要である。なぜならそれが観光に影響するのは明らかであるからだ。デング熱は感染者の血を吸った蚊が次の人を吸って感染者を増やしていく。発病期間があるので本人が気づかない間にさらなる感染者を増やしていく。デング熱を絶つにはそのウイルスを媒介するネッタイシマカ、ヒトスジシマカの蚊を発生させないことだ。

そろそろあのガジャンクルサー車の出番かもしれない。

※琉球新報「南風(はえ)」への掲載は9月12日(金)です。


2008年8月1日(金)掲載 第3回

琉球新報「南風」 ジョージアのあんだんすぅ(油みそ)
琉球新報コラム「南風(はえ)」掲載−ジョージアのあんだんすぅ−

十年ほど前に家族三人で後輩のいる米国のジョージア州、アトランタを訪ねたことがある。後輩の家に滞在し、一週間ぐらいのんびりしようとの旅だった。
その間に私と家族はレンタカーを借りてアトランタを南下して海近くの町、サヴァナに向かった。アメリカ人の友人に会うためだ。

朝にアトランタを出発。七、八時間かかって、夕方ちかくにサヴァナの町中へ着いた。
彼に町に着いたことを知らせて、待ち合わせ場所に迎えにきてもらった。
彼の家で夕食をごちそうになり、お互いの近況を話したりしながらくつろいでいた。

そこに、彼がある女性に電話をして呼んでくれた。その彼女は彼の家族と交流がある沖縄出身の女性である。彼女は私達に会うとうちなーんちゅが来たと、とても懐かしんで喜んでくれた。彼女はもう米国に四十年近く住んでいて、沖縄には一度も帰ったことがないと言っていた。歳は六十歳を過ぎていた。

明朝、アトランタに戻るため荷造りをしていた。彼女は私が来るまで、ぜひ待っていてくれと電話をかけてきて、三十分くらい待ったと思う。すると彼女がビニール袋を片手にやってきてこれをアトランタへの帰りに食べてと差し出した。袋をのぞいてみると十数個のおにぎりである。そして、おにぎりの中にはあんだんすう(油みそ)が入っているという。
私たちのために、朝から何十年ぶりにこれを作っていたというのだ。

まさに、詩人の島崎藤村が郷里での講演で言った、3行詩である。
「血につながるふるさと、心につながるふるさと、言葉につながるふるさと。」
このおにぎりのあんだんすうに私たちの島、うちなーと“うちなーんちゅのこころ”を異国の地でみた思いがした。

※琉球新報「南風(はえ)」への掲載は8月29日(金)です。

2008年7月18日(金)掲載 第2回

琉球新報「南風」 ITと40代
琉球新報コラム「南風(はえ)」掲載−ITと40代−

正真正銘の中年と呼ばれる年になった。私が二十代前半のころ、ワープロもパソコンもなければもちろん携帯も無かった。

和文か英文タイプのアナログである。はじめてワープロの原型なるものを目にした時にはすごく感動したのを覚えている。私も一太郎からワードへと移り、表計算もロータスからエクセルへと変化した。四十代後半以上の方は多分に私と似たような経験者だと思う。今ではエクセル、ワードは辺り前、プレゼンはパワーポイント。スカイプで会議とITの進化とともにビジネススキルも変化させた。

最近はネットを通して商品を購入するケースも多い。また若い世代は携帯から友人へのプレゼントや自分の身の回りの品なども購入するというから驚く。
企業からの発注も多くなった。例えば、名刺、カタログといった印刷物から文具や作業着など、さまざまである。これからはりん近隣の同業者ばかりがライバルではなく他府県の名も聞いたことのない業者がライバルとなるケースも多い。

しかし、逆もまた真なりで小さい島の沖縄もいろんな違いを逆手にして地域の商品がネットを通して売れる時代がやってきた。

私と同世代でITを使わない事を自慢にしていたら間違いなく時代においていかれる。なぜなら中年世代はあと十年以上働かないといけないので心しておかなければならない。私と同世代はアナログとデジタル社会の端境期を生きていてデジタルデバイドによって同世代でも差が広がってきている。我々個人は時代には逆らえない。抵抗せずに乗るしかない。

ITが商売や仕事の仕方を変えつつあるのは事実だ。

※琉球新報「南風(はえ)」への掲載は8月1日(金)です。

2008年7月4日(金)掲載 第1回

琉球新報「南風」 タイの安宿
琉球新報コラム「南風(はえ)」掲載−タイの安宿−

留学時代の先輩とビジネスをスタートしたころの話である。当社は金なし、コネなし、経験なしと三拍子がそろっていた。

東南アジアでの貿易のスタートはタイのバンコクの一泊千円ちょっとの安宿だった。
バンコクに出張へ行き投宿していた。私の米国留学時代のタイ人の友へ電話を入れ会うことになった。彼に電話を入れるとそこの通りは知っているがホテルの名は知らないという。タイ人でも知らないほどの安宿のホテルなのだ。フロントから彼に説明してもらい来ることになった。

留学時代はかれとは気もあい顔も同じアジア人同士でにているのか二人で歩くと兄弟かといわれたことも何度かあった。あのころ彼がしきりに恋しがっていた故郷の彼女とはめでたく結婚していて二人で来てもらった。
そして夕食へ行こうということになり、彼の案内でチャオプラヤ川沿いの高級ホテルにガーデンで食事となった。

そこで開口一番、彼が何であんなホテルに泊まっているのかと聞いた。返す言葉がない、金がないのである。留学時代はお互いに質素な生活をしていた二人だが、彼は故郷タイへ帰れば家にお手伝いさんが四、五人はいる、タイの医者の家系の息子である。一方こちらは沖縄の庶民ときている。ちょっぴり切ないビジネス当初の話である。

今では理由があってあの安宿にはもう泊まることはないが、あの安宿をみると時々、私のビジネスの原点を思い出す。あのころがあって今の自分がいる。時に感謝、地に感謝、人に感謝である。孟子がいう「天の地、地の利、人の和」ということになるのか。
これから半年間、南風に登場させていただくことになりました。どうぞお付き合い下さい。

※琉球新報「南風(はえ)」への掲載は7月18日(金)です。


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